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直感とデータ

  • naganolabtcue
  • 2024年5月9日
  • 読了時間: 6分

新年度が始まりまして、あっという間に4月が終わり、5月もGWが瞬く間に過ぎていきました。新社会人の皆さんは、職場に慣れましたでしょうか。なかなか慣れないものですが、徐々に、働く自分の環境を意識しながら、やっていってほしいと思います。


私も、今の職場に移籍して3年目となりました。正直なところ、慣れるというよりも、環境を受け入れている、という感じでしょうか。

自分の思い通りになる職場などありませんし、かと言って、嫌な場所には居続ける必要性は皆無であると私は考えます。居心地が良いから、やりたくない事であっても、または本当は別の事にチャレンジしたくても、なんとなくその仕事を続けてしまう、その職場にしがみついてしまう、ということもよくある事象です。さらに、自分にはこれくらいしか能力がないから、ここにいるしかない。などと自分を自分で下げてしまう、なんてこともよく起きている事象といえるでしょう。みなさんはどうでしょうか。


この時期になりますと、新卒で入ってきた新人がバタバタと辞めていく、などと日々ニュースになっています。現代社会、特に現在の企業等と、若者の状況がマッチしていない、などと騒がれたりもしていますね。

そもそも、これはどちらが正しいか、というような短絡的な話ではありません。

社会が変わっている、企業や団体も常に変化している。

では、労働者はどうでしょうか?経営者は?管理職は?

一方で学生はどうでしょうか?

そして、われわれ大学の教員はどうでしょうか?


そんなふうに、カテゴリー別にサンプルを集めて分析してみると、なにかが見えるのだろうと容易に推測できます。細かく評価項目をセットして、いくつかの条件設定を加えて、分析してみると、いくつかの解が導き出せるかと思います。

そのデータは、きっと正しい。多くの人が納得するものだと、考えます。

しかし、そのデータ、真実を映しているのでしょうか?

条件を変える、項目を入れ変える、そして時間変化を加味する(経年変化)、サンプリングを変える、etc,,,

また違うデータができあがり、それも正しい、ということになるんでしょうか?


データとは、あくまでもその時の諸条件に則って生み出し、公平性を持って信頼性を付して得られた産物、という事です。

見かたを変えれば、変数を変えれば、そもそもの前提条件を変えれば、全然違った結果となるはずです。

つまり、データを信じ込んで(正しいを思いこむ)しまうのは、なるべく避けましょう、というお話しです。参考にする、傾向を知る、そのうえで、自分なりの解を導いてみてほしいわけです。その解が「正しい」・「間違い」などと、決めつけるのではなく、今の時点ではこうかな、次は変化するかもな、もしかしたらこんな結末があるかもな、というように、データとうまく付き合ってみてほしいと思います。本来、データサイエンスとは、そうした視点を求めながら、データをつくる、つまりは未来を作るために情報を積み上げる、分析してアウトプットを出し続ける、という行為なのだと、私は認識しています。


さて、データの話を盛り上げておいて、「直感」ってなんだよ、ということですが、データよりも信頼性が全くみえないもの、人によって感じ方が違う中で、「直感」なんて「それはあなたの感想ですよね」と言わんばかりですが。

それはいいとして、直感って、私は案外大事にしています。

ここまで45年生きてきましたが、「直感」的に、マイナス(ネガティブ)に感じたもので、外れたことがありません。

逆に、「直感」的に、プラス(ポジティブ)に感じたものほど、アテになっておりません(笑)

どういうことなんでしょうか。


つまり、直感の中でも、すこしセンシティブな側面として、ネガティブに捉える事象については、経験則として、自分のデータ(経験知)がそれを直感に変換して、心に教えてくれているもの、という捉え方を私はしているわけです。この場合の経験知については、「経験値」ではありません。これだと、自分の経験との負の相関だけで捉えてしまう、という発想になりますので、あくまでも「経験値」ではなく「経験知」であると考えています。逆にポジティブに感じたものほどアテにならない、と述べましたが、まさしく自分の都合の良い解釈で「経験値」で勝手に判断しているから、いつもアテになっていないわけですね。


この直感を用いた、これまでの私の状況についてですが、自分としては、直感的にダメだなと思った内容や事象、さらには「人」「環境」「職場」であっても、受け入れてみるようにはしています。大体、直感的にネガティブに感じたその状況は、やはりハズレません。現在もそうです。しかし、この外れなかった状況が、実はその次のステップに必要な下地であることを、経験知として私の直感は、いつも横で教えてくれています。

こんな感じでしょうか。


・この人、ちょっと無理だな

 ⇒大体当たってる

 ⇒でも受け入れてみるかな⇒大体えらい目にあう、苦しむ、傷つく、憤る

 ⇒その経験を積み上げれば、次に視界が開けたりする・・・大体好転する(経験知)


・この職場、やはり無理だな

 ⇒大体当たってる

 ⇒でも受け入れて、すこし頑張ってみようかな⇒大体えらい目にあい、苦しむ

 ⇒その経験を積み上げれば、次の展望が見えたりする・・・大体好転する(経験知)


・この環境、雰囲気的に受け付けないな

 ⇒大体当たってる

 ⇒まあ、いちど受け入れてみて、ダメなら変えよう⇒大体えらい目にあい、どん底へ

 ⇒その経験を積み上げれば、環境を変える力が得られることもある・・・(経験知)


これまでの人生で、たくさんの職場、人間関係、環境を経験してきましたが、概ねこんな様子でした。今もそうです。


なにがいいたいのかというと、若い皆さんは、まだまだ経験を積めていないわけですから、経験知がなくて悩み苦しむのは、当たりまえだということ。

つまり、あまり「気にしなさんな」ということです。

これから時間をかけて、経験知を得てください。

自分の人生を生きるとは、そういうことです。

直感とデータ、そういう意味です。


いま、あなたの前に現れている現実は、あなたが過去に選択し、経験知として積み上げているものです。良い結果も、悪い結果も、積み上げて、自分がした選択(決断)を正しいものにしていけば良いのだと思います。

仕事を続けるのも辞めるのも、自分の判断です。それを受け入れて、やってみたいことにチャレンジしてください。たかが仕事なんですから、続けるのも辞めるのも、どちらでも正解なんじゃないでしょうか。


ただし、自分の人生を「続けるor辞める」という選択の天秤にかけてはいけません。

自分の人生は、自分で選べるわけですから、辞める以外の選択肢を選び続けてください。


今日のまとめですが、プラスの直感を信じて行動して、アテにならないから、生きていて楽しいのだと思います。

全部思い通りになったら、やる事なくなってしまいますし、それってとても気持ち悪いと思います。あなたはどう思いますか??宿題です、考えてみてください。



今日の講義はここまで



The task of a wise man is not so much how to die as how to live.

賢人の仕事は、いかに死ぬかというよりも、いかに生きるかということにある。

ースピノザ



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4月に来日したSwing Out Sisterのライブ現場より



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